低音障害型感音難聴

低音障害型感音難聴は、突然「耳がつまった感じ」で発症する耳の病気です。「聞こえない」というほど強い症状ではなく、耳の閉塞感や、音がゆがんで聞こえるといった訴えが多いのが特徴です。疲労やストレスを抱えているときに発症することが多いとされています。東京都杉並区井草にある「いおぎ耳鼻咽喉科」では、日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会認定の耳鼻咽喉科専門医が、西武新宿線「井荻駅」から徒歩4分の場所で診察しています。耳のつまった感じが続くときは、お早めにご相談ください。
3行でわかる低音障害型感音難聴
低い音だけが聞こえにくくなる、急に起こる難聴です。
「聞こえない」より「耳がつまった」「音がゆがむ」と感じる方が多い病気です。
回転性のめまいを伴うときは、メニエール病を考えます。
こんな症状はありませんか
あてはまるものはありますか
- ✓耳がつまった感じ・・突然、耳が詰まったような症状で発症します。
- ✓音がゆがんで聞こえる・・「音が変にゆがんで聞こえる」という訴えが多くみられます。
- ✓低い音が聞こえにくい・・人の話し声の周波数よりも低い周波数が聞こえにくくなる、急性感音難聴の一つです。
- ✓回転性のめまいをともなわない・・めまいをともなう場合は「メニエール病」のページもご覧ください。
早めに受診した方がよい症状
耳のつまった感じは、他の病気でも起こります。次のような場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
- 片耳の聞こえが急に悪くなった・・突発性難聴の可能性があります。治療開始が早いほど回復が期待できるため、「突発性難聴」のページをご覧のうえ、お早めにご相談ください。
- 回転性のめまいをくり返す・・メニエール病の可能性があります。
- 耳のつまった感じが数日以上続く
- 耳鳴りが強くなってきた・・「耳鳴症(耳鳴り)」のページもご覧ください。
「聞こえない」より「耳がつまった」「音がゆがむ」と感じる方が多い病気です。
なぜ起こるのですか
内耳(蝸牛)の水はけの問題
聴覚の神経である内耳(蝸牛:かぎゅう)に異常が起こると考えられています。「蝸牛型メニエール病」「内リンパ水腫」などと表現することもあります。内耳は、聴覚に関与する「蝸牛(かぎゅう)」と平衡感覚に関与する「前庭(ぜんてい)」に分かれます。蝸牛・前庭ともに、内耳はその内部に「リンパ液」という水が入っています。何らかの原因で、蝸牛の水の出し入れのバランスが崩れてしまうことがあります。特に、水が出てゆく経路に異常が生じると、蝸牛の「水はけ」が悪くなり、リンパ液が溜まりすぎてしまいます。そうすると、蝸牛内の水圧が上がり、蝸牛は正常に機能できなくなります。この内耳の圧変化を一番受けるのが、低い周波数の音を感じる神経と考えられており、そのため低周波数の聴力が限局して低下したもの、これが「低音障害型感音難聴」の病態ではないかと考えられています。
疲労・ストレスとの関係
なぜ、水が出てゆく経路に異常が生じるのかは、まだはっきりとは解明されていません。ただ、疲労やストレスを抱えているときに発症することが多いという事実があります。疲労・ストレスがあると自律神経機能が低下します。自律神経が調節を行なっているものの一つに、「血管の縮み具合」があります。蝸牛から水を出す経路の血管が、自律神経の異常によって急に縮んで細くなってしまうと、蝸牛から水が出て行けなくなり、リンパ液が溜まりすぎる状態となります。これが「低音障害型感音難聴」のメカニズムではないかと考えられています。同様に、動脈硬化などで蝸牛の循環が悪くなった時にも同様の病態が生じると考えられています。
治療はどう進みますか
生活面での対応
治療の基本は、根本原因である疲れ、ストレスをためないようにすることと、定期的な有酸素運動が重要です。水分摂取は、たくさん摂るべきとする意見と、摂りすぎはよくないとする意見がありますが、少なくとものどが渇く脱水状態は内リンパ水腫を助長する(水分を保持するホルモンの影響)ので、こまめに水分は摂りましょう。
薬による治療
薬による治療では、循環不全を改善させる薬剤や、水分自体を取り除く利尿剤を使用します。抗ストレス効果や、水分バランスを調節する作用を持った漢方薬を使用することもあります。
治ったあとの見通しは
早い人は数日で治ります。しかし薬に反応しない場合もしばしばあり、その場合は内服を継続します。内服で長い間改善しなかった場合でも、環境の変化(引っ越し、職場の変化など)により改善する場合があります。少ないですが、改善しない場合もあります。また、一度良くなっても繰り返すことがあり、繰り返すうちに聴力が低下したまま固定することもあります。また、片耳だけだったものが両耳に発症することもあります。
メニエール病との関係
「メニエール病」と異なる点は、「メニエール病」は回転性のめまいを伴いますが、「低音障害型感音難聴」はめまいを伴いません。あくまでも聞こえの症状だけです。ただ、最近の学説では、これらは程度の問題であり、「内耳の水ぶくれ」が蝸牛だけでとどまった場合は「低音障害型感音難聴」で、前庭を含む内耳全体に生じた場合には「メニエール病」になるのではないか、という考え方もありますが、まだ明らかにはなっていません。蝸牛だけの水ぶくれということで、「蝸牛型メニエール病」といわれることもあります。
よくある質問
Q1. どのくらいで治りますか?
早い方は数日で治ります。ただし薬に反応しない場合もしばしばあり、その場合は内服を継続します。経過には個人差があります。
Q2. くり返すことはありますか?
一度良くなっても繰り返すことがあります。繰り返すうちに聴力が低下したまま固定することもあり、片耳だけだったものが両耳に発症することもあります。症状に気づいたら早めにご相談ください。
Q3. ストレスが原因なのでしょうか?
疲労やストレスを抱えているときに発症することが多いという事実があります。治療の基本は、疲れやストレスをためないようにすることと、定期的な有酸素運動です。
Q4. メニエール病とどう違うのですか?
メニエール病は回転性のめまいをともないますが、低音障害型感音難聴はめまいをともなわず、聞こえの症状だけです。ただし両者は連続した病態ではないかという考え方もあります。
Q5. 水分は多めに摂った方がよいですか?
水分摂取については意見が分かれますが、少なくとものどが渇く脱水状態は内リンパ水腫を助長するため、こまめな水分補給をおすすめしています。
院長より
「耳がつまった感じがするけれど、聞こえないわけではない」——この病気は、症状が軽いために受診をためらわれる方が多い印象があります。しかし、くり返すうちに聴力が低下したまま固定することもあり、また突発性難聴など早期治療が必要な病気との区別も必要です。
疲れやストレスが背景にあることが多く、生活の見直しが治療の柱になります。当院では、日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会認定の耳鼻咽喉科専門医が診察にあたります。病名は現時点での診断であり、経過観察中に変わることがあります。西武新宿線「井荻駅」から徒歩4分、院内は段差のないバリアフリー設計です。受診の流れは「初診の方へ」のページをご覧ください。
いおぎ耳鼻咽喉科 院長 三宅 恵太郎
執筆・医学監修:いおぎ耳鼻咽喉科 院長 三宅 恵太郎
日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会認定 耳鼻咽喉科専門医/日本めまい平衡医学会認定 めまい相談医/日本嚥下学会認定 嚥下相談医
最終医学確認:2026年9月20日
経歴・資格の詳細は「医師紹介」のページをご覧ください。
